病気は悪性腫瘍、いわゆる癌だけではありません。癌そのものは細胞レベルから分化して成長していくもので、実は診断がつく時点で早期癌であっても数年が経過しています。ですから、癌そのもので今日命が亡くなるということはありません。


しかし、病気によっては今日いきなり発症して亡くなる類のものがあります。それは大きく分けると出血と梗塞です。出血というのは体の中のどこかの部分の欠陥が破綻して出血するもので、脳内出血(くも膜下出血)や大動脈解離、大動脈破裂が緊急を要する主な病気です。

これらはもともと欠陥の奇形や脆弱な部分が、そこに高血圧や外傷が加わって破綻するものです。梗塞というのは、どこかの血管が詰まって血液循環が途絶えた時に発症するもので、脳梗塞・心筋梗塞・肺梗塞が主な病気です。詰まる原因は血栓と粥種というコレステロールや脂肪によって作られた塊です。




この出血と梗塞というのは、発症したその時に亡くなる場合があります。
また、脳梗塞や脳出血では後遺症を残す場合も多くあります。発症は時間が正確に言えるくらいある時突然ですが、そこに至るにはそれまでの生活習慣がベースにあります。



人間の体は多少の血圧の変動には耐えられるようになっていますが、もともと血圧が180mmHgあった人が少し排便時にいきんだりすると、それをきっかけに脳出血やくも膜下出血が起こることがあります。高血圧は頭痛を伴うものもありますが、何か月・何年単位の場合は体が慣れてしまっていて、自覚症状はありません。高齢になるとそれだけで血管が固くなって高血圧をおこします。




梗塞のうち、粥種は大抵高脂血症や高コレステロール血症がベースにあり、血管の至るところに脂肪やコレステロールで作られた塊ができ、それが大きくなって血管を塞いで血流が途絶えます。この時に脳梗塞や心筋梗塞を起こします。

これらは主要な血管を詰まらせてしまった場合、その場で亡くなることがあります。また、梗塞のうち血栓についてはもともと心房細動という病気がベースの場合が多く、これは本人の努力では治せませんし、自覚症状もほとんどないので気づきません。偶然とった心電図で心房細動が見つかるというものが多く、これは心臓がしっかり収縮をしないため血液のよどみを作ってしまうことで始まります。

血液は放っておくと固まるように、血管の中でも流れが悪くよどんだ場所に血栓という塊をつくります。これが血管の中を流れて体中をめぐるのですが、ある時すぽっと詰まるのです。その場所により脳梗塞・心筋梗塞・肺梗塞になります。血栓を防止するためにはワーファリンを内服する必要がありますが、定期的に通院して採血をする必要があり、一生涯続きます。



事故や転倒による脳出血や、いつの間にかなっていた心房細動による脳梗塞・心筋梗塞は自分で防ぐことはできません。ですが、これは交通事故にあうようなもので、誰もが起こりうることです。

実際は普段の高血圧や高脂血症・高コレステロール血症による発症の方が圧倒的に多く、本来自己管理によって予防できるものです。生活習慣病はその名の通り日々の生活からなり、発症するまでは苦痛もありません。


自分はかからないという根拠のない自信は捨てて、一定の年齢にきたら意識的に生活を整えるべきです。